.yag_ays_history

... and stuff.

本を読んでいると,何処からとも無く半透明のゴミのようなものが文字の上に顕れて覆いかぶさる.紙の上に書かれた文字を追って視線を移動するたびに,それは不規則に動きながら付いて回る.瞬きをしたり視線を外に反らすと視野の端に移動したり見えなくなるのだが,また本を読み始めて文字を追いかけ始めると,またふっと現れる.最初のうちは視界に入っても意識しないようにして本を読み続けるのだが,段々時間が経つにつれ,文字の上に覆いかぶさり不規則に移動するゴミが非常に鬱陶しく感じるようになってきて,集中力が一気に削がれる.
この目に映るゴミのようなものは所謂飛蚊症と呼ばれる症状に依るもので,眼の中のガラス体に浮かぶゴミが見えるのが原因だという.否応がなしに見えるゴミは,本にある文字が眼の網膜に写り脳へと伝達されて文字と認識される一連の情報の流れにおける,まさにノイズである.
文字を読むのが仕事のような人間にとっては,これは非常に悩ましく頭を抱える問題だと思う.ただコレばかりは個人で出来る範囲での対処方法が無いので,慣れて集中力を保つようにするしかない.自分の場合は中学校くらいにこの症状に気付いてから今までこの症状と付き合ってきたわけだが,未だに読書を邪魔される時があって,酷く厄介なのだ.

と,先ほどまさに読書を妨害されイラッと来てここに書きなぐっているわけだが,自分も集中力に関しては全然成長しないという残念な感情がこみ上げるだけでただただ虚しい.それにしても,あまりこのことは人に話したりしたことが無いのだが,自分の周りの人が飛蚊症に関してどの程度の症状を持っているのか気になる所ではある.自分のように人には話さないけれども,程度の差はあれ悩んでいる人は意外と多いのかもしれないのだが,どうだろう.以前tumblr飛蚊症の症状を表すイラストが流れてきたときは「そうそうこれこれ」と酷く共感してしまったのだが,意外とreblog数が多く,やはりみんな気にしてるんだなぁと思ったことがある.症状がある人にだけ分かる特権だが,そんなものは要らない....
(リンクが見つかったので載せておく:http://sociologbook.tumblr.com/post/13678268995)
念のために書いておくと,自分の場合はどうやら生理的な飛蚊症であって,病気というほどでは無く症状が悪化しているわけでもない.