.yag_ays_history

... and stuff.

体調に関して自分の感覚ではだいぶ回復したと思っていたのだが,周りの人に「顔色悪くないですか?」と言われたり階段で息切れしてふらつくなど,まだ全快とまでは行かないようだ.昼はネギたっぷりの酸辣湯麺を食べて英気を養う.
先日買った「竜の学校は山の上」という九井諒子の短編集が非常に面白く,ここ数日で4,5回は通して読んだ.絵やコマ割りも非常に安定していて秀逸ながら,物語の作り方がとても素晴らしい.現実と非現実(ファンタジーやフィクション)の丁度中間のような,いまある現実がほんの少しズレていたら,数多く語られる物語がほんの少し現実味を帯びていたら,というバランスで,星新一を想起させる構成となっている.その短篇集のなかで,本の題名にもなっている「竜の学校は山の上」では現実には存在しない竜と,それを研究する学生が出てくる.そこで示されるのは残酷な環境とどうしようもない現実なのだが,それでも描かれる人物は物語の中で活き活きしている.自分の境遇と一致する部分も多く,読んでいると「ここで言う竜は本当に空想のものなのか」と一瞬はっとさせられる物語だった.

竜の学校は山の上 九井諒子作品集

竜の学校は山の上 九井諒子作品集